精神科看護師~その実態&求人事情を解明

震災後の岩手では心のケアを必要とする患者さんが増加しています。心の治療を行う精神科。この診療科目が男性看護士を欲するその理由とは?

震災後のPTSDケアが重要!

岩手県で精神科や心療内科の看護師になることを考えているなら、震災後のPTSDケアについて考えておくおとが必要になるでしょう。まず、PTSDの主な症状は以下の通りです。

  • フラッシュバックや悪夢という形で過去の嫌な経験が蘇る
  • 普段の生活の中でトラウマとなっている体験が頭から離れず集中力が落ちる
  • 常に緊張した状態にある
  • トラウマの原因となっている出来事を想起させる刺激を回避する
  • 感情が鈍麻する
  • 幻覚や錯覚が生じて現実感が低下する
  • 衝動的な性質が出ており、苛立ちやすい

震災直後に症状がなかった場合でも、数年や数十年後に発症する可能性もあります。精神安定物質セロトニンを調節するためのSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を用いる薬物療法の他、PTSDの原因である震災体験を擬似的に再体験させることで記憶を再構築する心理療法などが用いられます。心理療法の目的は、こうした形でストレスをコントロールする対処法を身につけることなのです。

カウンセラーや精神科医ではなくとも、精神科・心療内科で働く以上、こういった知識は持っておくべきでしょう。

ちなみに、アメリカの研究では、災害後一定期間がたってから自殺率が増加することが知られています。多くの場合、自殺率が災害直後に低下し、後から徐々に増加することが知られており、その意味ではPTSDや鬱病のケアは震災から2年が経過したこれからが本番。実際、宮城県では自殺率が大きく低下した後に増加に転じてきており、岩手・福島などでも今後同じような経過をたどる可能性があります。

精神科看護師の体験談

それでは、実際に精神科で働いている看護師さんの体験談を聞いてみましょう。実態を知るためには、そこで仕事をしている方々の意見を伺うのが一番です。

37歳・女性看護師の体験談

女性看護師私は精神科病棟で働き始めて15年になります。ただ、新卒で精神科に行ったので他の仕事をまったくやったことがなく、そのせいで色々と苦労しているのが現実…。

精神科には高齢の入院患者さんも多く、いつ身体の病気になるか分かりません。精神科でしか働いたことのない私では急変に満足な対応ができないことも多いんです。

逆に一般科で働いていた経験のある方はいたって冷静。コミュニケーションが取りづらい患者さんの場合や混迷状態の患者さんでも、急変時に精神的な要因なのか身体的な病状のかを、あっさりと見抜いちゃうんです。

心のケアというのはどこの診療科目でも求められる仕事ですから、他科から来た人でもわりと問題なくこなせており、逆に急変があった時は他科から来た人のほうが有利。それを痛いほど知った今、若い時に一般科で働いておけば良かったと後悔することしきりです。

あと、不穏患者さんの対応でケガをすることもあるので、そこは覚悟が必要。願うことは、とにかく充分な人数の男性看護師を配置してほしいということですね。

29歳・男性看護師の体験談

男性看護師一般病棟にいた頃は、なんだか女性たちの目を気にしながら働いている感じで、看護師という仕事を選んだことを“失敗だったかな”なんて感じることもしばしばあったように思います。

ですが、精神科に来てからは周りから頼りにされて、非常にやりがいを持って仕事をできるようになりました。やっぱり仕事をする上では大変なことも多いですから、周囲から頼られたり、仕事ぶりを認められたりしてモチベーションを上げていかないと長くはもちません。男性看護師はまだまだ人数が少なく、偏見というか仕事のしづらさのようなものを感じる機会も多いです。これから男性看護師を増やしていくためにも、まずは男性が特に求められる場所で力を発揮していくことが大切かな、と。

不穏状態で暴れている患者さんだけでなく、患者さん同士のトラブル仲裁、初回入院の方と冷静にふれ合っていく、そういう仕事は男性向きです。精神科という響きに不安を感じる人もいるとは思いますが、今の仕事にやりにくさを感じているなら、試しに飛び込んでみてはいかがでしょうか。

やはり精神科の場合、男性看護師の需要は非常に高いようですね。女性看護師からも“男性を増やして”という訴えが多く聞かれます。また、急変があった場合には一般科目の経験がある人のほうが対処しやすいようなので、他科の経験がある男性看護師はかなり重宝されるでしょう。

男性看護師の存在意義を証明するためにも、男性が大歓迎される精神科に勤務してみるのはいかがでしょうか?“男性に来て欲しい”とこれほどまでに熱望している診療科目は他にありませんよ。

医療コラム!精神科では男性が必須

こちらは震災とは無関係な話題になりますが、もともと精神科病棟では男性看護師の需要が非常に高いのです。

男性看護師の精神科での需要精神科病棟には不穏患者がいるため、どうしても力で押さえつけなければならない場面に遭遇します。
暴れて他の患者さんに暴力をふるいそうになったり、リストカットやアームカットなどが癖になっているような患者さんが、自傷行為を始めようとした場合には止める必要があるわけです。

また、患者さんが女性看護師にセクハラ発言を繰り返したり、強引に身体に触れたりするようなケースでは男性看護師でないと対処できない場合も考えられます。

その患者さんが屈強な男性であったりした場合、女性看護師だけではなかなか対応できないでしょう。精神科病棟というのは特殊性の強い場所ですから、男性看護師の需要が高いのは当然といえます。そのため、男性看護師で精神科病棟を志望している場合、採用される確率はかなり高くなるはずです。

一方で、若い女性患者さんの場合などは、男性看護師だと清拭などのケアを拒否されるケースも多いので、やはり女性が必要であることには変わりありません。男性看護師と女性看護師が色々な診療科目でバランス良く配置されるようになると良いですね。