夜勤専従勤務の裏側~夜の病棟ではいったい何が!?

ごく一般的な病棟看護師の働き方としては3交代もしくは2交代のシフト制ですが、中には日勤のみ、夜勤専従といった固定シフトの求人も出ています。

最終的にどんなシフトが良いかは個々人の体質や考え方にもよりますが、ここでは夜勤専従という働き方に着目し、良い部分と悪い部分を考察していきたいと思います。

夜勤専従看護師に対する見方は賛否両論!?

実際、日勤と夜勤がランダムに組まれるくらいなら夜勤専従のほうが良いという意見もあれば、たまには普通の生活時間で過ごす日があったほうが良いという意見もあります。

それぞれの意見の根拠となる考え方を提示させて頂きますので、自分に合うのはどんな働き方なのかを考えてみてください。そして、もし夜勤専従が自分に合うとお考えになったなら、実際の求人情報を探してみましょう。

夜勤専従のほうが楽という考え方

夜勤専従の看護師そもそも看護師の仕事が体力的に辛いとされている原因は、単に夜勤シフトがあるせいではありません。日勤と夜勤が混在しているシフトこそ、看護師の体力、気力をむしばむ元凶なのです。

人間にとってはサーカディアンリズムという活動時間と睡眠時間のリズムが重要だからです。

人間の体内時計は1日25時間になっており、朝日を浴びることによるリセットがなければ眠る時間は毎日1時間ずつ遅くなっていく計算です。このリズムを大きく狂わせるようなシフトは、元来人間に向いていないといえます。

具体的にはこういうことです。例えば日勤→深夜勤というようなシフトを組まれた場合、夕方に日勤を終えて深夜まで眠ろうと思っても難しいと思います。朝7時に起きた人が夕方6時に眠るのはムチャな話。寝る時間を遅らせる方向には努力できても、その逆は困難です。人間のサーカディアンリズムに対して逆循環になってしまいますから。

それはもちろん、毎日、朝起きて夜眠れば1番良いでしょう。でも、それが出来ないなら、サーカディアンリズムに大きく反しない生活習慣を続けられる環境に身を置いたほうが体力的には楽なのです。

その点、夜勤専従であれば、日勤と夜勤がバラバラに組まれるシフトより余裕を持って働けるのではないでしょうか。

夜勤専従は体力的に辛いという考え方

労働科学研究所ストレス研究グループの研究結果によると、
昼間の眠りでは良質な睡眠が取れず、充分な体力回復が望めないとされています。

以下に、眠る時間帯と睡眠構造の関連に関するデータを提示しますので、まずはそちらをご覧ください。もっとも深い眠りである徐波睡眠と、浅い眠りのレム睡眠、それぞれの比率に注目です。

睡眠の時間帯 徐波睡眠 レム睡眠
良質とされる睡眠 15~20% 20~25%
16時間夜勤後の昼睡眠 38.4% 15.9%
8時間夜勤後の昼睡眠 35.6% 16.7%
16時間夜勤後の夜睡眠 22.7% 22.4%
8時間夜勤後の夜睡眠 23.1% 26.7%

ご覧のように、昼間に眠ると徐波睡眠が大幅に増して、レム睡眠が減少する傾向が見られます。そして、この傾向は夜勤の労働時間が長くなればなるほど顕著になるようです。

逆に夜勤明けの昼間ずっと起きていて次の夜に眠った場合、良質な睡眠とまでは言えないものの、かなり基準に近づきます。このことから、人間はたとえ不規則な生活リズムに陥ったとしても、出来るだけ夜に寝る日があったほうが良いという考え方もあるのです。

さらに、16時間以上にわたる夜勤において120分以内の仮眠では疲労回復効果がほとんどないという研究結果も出ています。

夜勤専従看護師の体験談

理屈の面では賛否両論でしたので、こちらでは実際に夜勤専従の看護師として働いている方の意見を伺ってみたいと思います。現場で働いている方は、いったいどのようにお考えなのでしょうか?

33歳・女性看護師の体験談

女性看護師まずは患者さんの状況について申し送りを受け、それから巡回をしたり早朝健診の用意をしたりするのが基本的な仕事です。もちろん巡回といっても単に見て回れば良いわけではなく、点滴を交換したり、寝たきりの人については体位を変えて床ずれを防いだり、色々な配慮が必要。そうして朝になったら採血や検温を行い、朝食を配膳。最後に日勤の人に申し送りをして終わりです。

仕事自体は日勤と大きく違うわけじゃないんですが、昼間より人数が少なくなりやすいため、体力的には結構大変。また、不穏状態やせん妄状態に陥る患者さんが出た時なんかはものすごく負担が大きいです。寝ている患者さんにも気を遣わなければいけない、けれど不穏の患者さんは止めなければなりません。体力的にはもちろんですが、精神的にも消耗しちゃいますね。

また気分的な問題として、深夜に不穏患者さんの対応をするのはやっぱり恐怖感が強いんです。1人か2人でも良いので、男性の看護師がいると安心しますね。ドクターはちょっとやそっとじゃ私たち看護師の代わりに対応はしてくれないので、看護師の男手が欲しいです。

28歳・男性看護師の体験談

男性看護師やっぱり体力的には女性より男性のほうが勝っていますから、夜勤専従は男性看護師に適性がある仕事だと思います。朝方になっても男の場合、どうにかこうにか気力だけで乗り切れるもの。それに、体調面や美容面を考えると、何だか女性看護師が可哀想に思えてくるのもあって(笑)僕は夜勤専従を選びました。

フェミニストとかつまらないダンディズムと馬鹿にされることもありますが、それでみんなの役に立つなら悪くないかなって。

それに年配の女性だとお子さんがいますからね。夜勤が多くなると子供への悪影響も心配です。なんだかんだ、父親が家にいなくても大丈夫だけど、母親は家にいてくれないと…ていうのが子供の本音だと思いますから。

もちろん昼夜逆転の生活が辛いなぁって思うこともありますけど、そこは“自分が一番役に立てる場所はどこか”を考えて、夜勤専従で頑張ろうと思っています。それに日勤と夜勤がたびたび入れ替わるのに比べたら、個人的には時間の管理がしやすくてやりやすいですし。

やはり、女性からも“男性看護師にいて欲しい”という意見が出ましたね。また、女性だと“夜勤は体力的に厳しい”という意見が多く、男性だと“日勤と夜勤が混じっているよりは楽”という意見が多い印象も受けました。こういった側面からも、夜勤専従は男性看護師向きだと思われます。

男性看護師から見た夜勤のメリットはそれだけではありません。

大きなメリットの1つとして挙げられるのは、仕事探しから入職までスムーズに決まりやすいこと。やはり、看護師の大半を占める女性の方々は育児や家事と仕事を両立させなればならないことも多く、日勤のみの仕事を探していることが多いのです。逆に男性看護師であれば育児などに時間を取られることもないので夜勤専従を狙いやすくなります。

夜勤は夜勤手当が出たりと収入面で恵まれているため、夜勤をバリバリこなせる男性看護師にとっては魅力的。また、日勤希望の看護師からすれば自分が夜勤をこなす回数を減らしてくれる夜勤専従の看護師は有り難い存在ですので歓迎される、要するに人間関係を円滑に構築しやすいというメリットを享受できる可能性もあるでしょう。

それでなくとも、体力が必要な夜勤は男性のほうが有利なはず。数少ない男性看護師の価値を証明するチャンスでもあるはずです。加えて、深夜の不穏患者さんなどに恐怖を抱いている女性看護師が多くいますから、そんな時に颯爽と駆けつければ格好良いところを見せられるかも!?

そんな風に深夜のヒーローになりたいあなたにも、夜勤専従は最適でしょう!
体力的には明らかに男性が有利ですし、病棟の女性看護師さんを救ってあげませんか?

医療コラム~修羅場と化す夜の病棟

夜勤専従看護師の体験した医療現場ただでさえ人数不足に陥りやすい夜勤ですが、時に修羅場のような様相を呈することもあります。これは実際に知人の看護師さんが出くわした状況なのですが、夜間に血圧低下と呼吸困難で透析が回せなくってしまった患者さんが搬送されきたことから、様相が一変したという事件です。

ICUは2:1看護ですから、その夜勤専従看護師さんは患者さん2人を受け持ったいたわけですが、透析できなくなった腎不全患者が緊急搬送されてきたために夜間なのに透析を回すことに…。そうしたら、近場の事故で急患が来るということになり、透析が終わった患者さんを病棟へあげ…それもやっと終わったら、今度は脳外科で脳動脈瘤が破裂した方がICUへやってきて緊急オペ出し。その後は肝臓を切除した直後の方をケア、そうこうしているうちに呼吸困難に陥った患者さんがICU入室に…。
人生でもっとも長い夜だったと言っていました。

あまりの忙しさに興奮状態になってしまい、仕事から帰っても眠れなかったとか…。
夜勤専従では、こういった状況に出会う確率も上がってしまいます。そのあたりを考えても、やはり体力的に余裕のある男性看護師が必要といえますね。