整形外科の真実~災害時に人々を救う看護師になろう

皆さん、震災発生時には整形外科の需要が一気に増大することをご存じでしょうか?
ここでは、そうした普段あまり目につかない部分での、整形外科分野の看護師さんの実態をレポートしていきます。

災害時に大活躍するのは整形外科

ここで挙げるのは東日本大震災ではなく、阪神大震災直後における神戸労災病院のデータになりますが、ここから実に興味深いことが分かります。
なんと、震災当日の1月17日は入院する患者の83%が整形外科関連に偏っていたとのこと。

●阪神大震災後の神戸労災病院の新入院患者データ

  • 1/17(当日):83%が整形外科
  • 1/18(翌日):29%が整形外科
  • 1/19(2日後):68%が整形外科
  • 1/20(3日後):40%が整形外科
  • 1/21(4日後):17%が整形外科

整形外科で需要の多い男性看護師このように、地震発生から3日後までは整形外科に入院する患者が非常に多くなることが分かっており、整形外科は震災時の治療の要ともいえる診療科目なのです。

他にも、地震の直後には頭部の裂傷などやや軽症が患者が多く、数時間後に重症患者が増加したことなど、神戸労災病院は震災時の傾向を詳細に記録していました。震災直後にはX線撮影ができなくなったため、視診や触診による診断能力をつけておくことが重要だという主張などもあり、非常に興味深いです。

ちなみに、これは余談ですが、阪神大震災の時には美容整形外科医も現地に駆け付け、非常に感謝されたという逸話が残っています。災害時の医療では、命に別状が無い場合は治療が後回しにされますが、女性にとって顔などの受傷は耐え難い苦痛をもたらします。こうした事から、高須克弥氏を中心とした美容外科医が支援を実施。その後も震災から1年に渡り無料診療を実施し、多くの女性の社会復帰を助けました。

正直なところ、普段、他の科目からは一段低く扱われる事も多い美容外科ですが、“患者の心を救う”という意味では、非常に大切な診療分野であると認識させられる出来事です。

阪神大震災や東日本大震災の記憶を風化させることなく、私たち医療従事者は今後の震災後治療に役立つ知識をしっかりと受け継いでいかなくてはなりませんね。

整形外科で働く看護師体験談

こちらでは、実際に整形外科で働いている看護師さんの体験談を紹介したいと思います。実際に現場で仕事をされている方々は男性看護師の需要についてどのように考えているのでしょうか?

36歳・女性看護師の体験談

女性看護師病院によって業務内容には差が出ると思いますが、私が以前働いていたところは連日オペでした。椎弓切除術、ORIF、CCHS、開窓術、TKA、THA、BHAなどなど、とにかくオペの連続。とはいえ、術式ごとにクリニカルパスがあるはずですから、混乱するようなことはありません。“自分が何をすれば良いのか”はわりと明確です。

むしろ問題なのは、高齢者や認知症患者さんが多いことでしょう。術後せん妄を起こして不穏状態になる方や、徘徊する高齢者がいて、それが原因でまた転倒する人も珍しくありません。また、そこまで大変なケースではなくても骨折の激痛で大声をあげている方なんかもいて、かなり疲れます。

運動能力が低下した高齢患者さんのために退院の調整や、施設探し、家の改装など他の部門と連携しなければならない場面も多く、忍耐力は必須ですね。オペは体力がいるので、とりあえずはそこだけ覚悟していれば大丈夫でしょう。

30歳・男性看護師の体験談

男性看護師これは私の経験則ですが、整形外科は他の診療科と比べて男性が多いです。個人的には精神科>整形外科=オペ室>透析室>その他という順で男性が多いような印象。ですから、まだまだ肩身の狭い男性看護師としては、とても働きやすい場所の1つではないでしょうか。

また、男性向けという点では、整形外科のオペの多さが挙げられます。しかも予定されたオペではなく緊急手術が多い。ですから、体力勝負という一面があります。これも男性が重宝される理由なのかな、と考えています。他にも自力で動けない患者さんをサポートしたり、腕力が物を言う場面が多いですしね。

私は震災経験をきっかけに整形外科を志しました。ああいった災害時には整形外科に入院する方がとても多くなります。そんな時、男性が多くいれば混乱して“てんやわんや”という中でも、体力を保たせて医療をきっちり提供できるのではないか。そんなふうに思ったんです。

以上から、整形外科では男性看護師の需要がかなり高いといえそうですね。特に体力に自信があり、時間のかかる緊急オペでも大丈夫という方はかなり歓迎されるのではないでしょうか。それに、整形外科は、震災発生直後には膨大な数の患者さんを診る必要がありますから、震災医療に貢献したいという思いが強い看護師さんにとっても、非常に働きがいのある職場でしょう。

もちろん、震災が2度と起こらなければベストですが、地震大国日本ではいつかどこかで必ず大きな地震が発生します。
2度と“想定外”などという言葉で多くの命が失われてしまわないように、あなたの力が必要なのです。

医療コラム!整形外科で必要な人材はコレだ

整形外科の手術自力では全く動けなかったり、牽引されている患者さんが多くいるため、整形外科病棟で働く看護師は他の診療科目以上に力仕事が多いです。そのため、男性看護師の需要は一般的な診療科より高いと考えられています。

ちなみに骨は、細菌などの微生物に汚染された場合、元通りに治すことが非常に困難になります。そのため、開放骨折の手術は6~8時間以内に終わらせるのが良いとされています。この時間内に終えれば、感染リスクを最小限に抑え、安全に縫合できるといわれているためです。

このため、整形外科では緊急手術が多くなる傾向があり、看護師としても“いつ緊急手術の患者が来ても対応できる”という精神力が必要となります。

もちろん骨の構造をしっかり把握している事も求められますし、MRIやX線をきちんと読める事も重要になるので、整形外科志望の人は、そうした辺りも抜かりなく身に付けておく必要がありそうですね。