潜在看護師の復帰支援制度~東北の医療復興レポート

岩手の医療現場における深刻な人材不足を救う手立てはあるのか、このページではその点を詳しくレポート。
特に、最近注目されている潜在看護師の再登用施策は、果たしてその決め手と成り得るのかを中心に検証していきます。

潜在看護師の復職で看護師不足は解消する!?

潜在看護師の復職少し古い統計になりますが、5年ほど前にISFJ政策フォーラムが行った調査によれば潜在看護師は推計55万人にも上るんだとか。この1割が現場復帰するだけで、日本の看護師不足はほとんど解消するとさえ言われています。

もちろん、復帰の意志がない潜在看護師を強引に引き戻すわけにはいきませんが、同調査の結果、潜在看護師の77.6%は医療現場への再就職を希望していることが分かりました。

となれば“復職の意志がある潜在看護師の一部を復帰させるだけでも日本の看護師不足は大幅に緩和される”と考えて間違いありません。

しかし、実際には慢性的な看護師不足が続いており、潜在看護師の大半は“復職したい”という思いはあるものの復帰しないまま過ごしているのが実情です。その理由はどこにあるのでしょうか?

●潜在看護師が職場復帰できない理由

  • 子育て:43%
  • 家事との両立が困難:23%
  • 能力や適正への不安感:21%
  • 責任の重さや医療ミスへの不安感:18%
  • 夜勤の身体的負担:16%

これらの問題が是正されさえすれば、かなりの潜在看護師が職場復帰を果たし、日本の看護師不足は大きく緩和するはずです。

潜在看護師の復職に必要なもの

潜在看護師が復職するために必要な方策とは、どんなものがあるのでしょうか?ここではISFJの政策提言をもとに潜在看護師の職場復帰を阻害している要因について考えてみたいと思います。それら阻害要因を取り除くことができれば看護師数を充足させることに繋がるはずです。

●潜在看護師の実数が分かっていない!

もっとも大きな問題は、潜在看護師の実数がはっきりしていないことでしょう。55万人という数字は日本看護師協会の推計であり、緻密に調査された結果ではありません。本当に潜在看護師を復帰させていくつもりがあるなら、どこの地域に何人の潜在看護師がいるのかを明確にし、各都道府県に置かれているナースセンターがその人数を把握していなければならないのです。

●潜在看護師の復帰前研修が充実していない!

潜在看護師を雇用するためには“ブランクを解消する実務研修”と“医療から離れていた期間に実用化された最新のケアに関する研修”の2つが必要。しかし、現場復帰を希望する潜在看護師向けの研修を行っている医療機関は10.8%しかありません。

現場復帰に踏み切れない理由として挙がっていた“能力や適性への不安”と“責任の重さや医療ミスへの不安”を合計すると39%に上りますが、これらは充分な研修を施すことで払拭できる可能性があります。

●地域の看護師が利用できる託児所が足りない!

43 %の看護師が復帰をためらう理由として挙げていたのが“子育て”の問題。地域の看護師が優先的に利用できる24時間対応の託児所を充分に用意すれば、この問題は一気に解消するはずです。

岩手県で利用できる潜在看護師の復帰支援

それでは、ここまでに挙げた問題を解消するために岩手県が行っている復帰支援について見ていくことにしましょう。潜在看護師の方で、自身の復帰を妨げる要因が何なのかを把握できている場合、以下に紹介する支援を受けることで問題が解決するかどうか考えてみて頂ければと思います。

もし、不安が解消され見事に現場復帰を果たせる可能性があるのなら、岩手の医療復興を成し遂げるために力を貸して頂ければ幸いです。

◎岩手県ナースセンター研修
看護師再就業支援研修(5日間)と潜在看護職員復職研修(20日間)の2つがありますが、いずれも目的は同じです。細かな違いについてウェブサイトなどでの告示はしていないようなので、ナースセンター事業部に直接問い合わせてみる必要があるでしょう。